まもなくフェブラリーSが行われますが、今年はここに地方所属馬が3頭出走。この3頭が過去最高レベルの実績馬ということで、今回は中央競馬専門のファンの方のために、この3頭の成績・特徴などなどについて解説していきたいと思います。
イグナイター(兵庫)
JRAで新馬を圧勝して、南関にも在籍してましたが、素質が開花したのは園田の名門・新子厩舎に移籍してから。4歳時に黒船賞・かきつばた記念というダートグレードでJRA勢を撃破して連勝。そして昨年は浦和のさきたま杯を勝った後、南部杯でレモンポップにちぎられたものの2着。そして迎えた大井のJBCスプリントで、リメイクを押さえてついに交流G1初制覇を達成。
今回はマイル戦ですが、むしろ1200よりは向いている距離ではありますし、一応JRAの新馬勝ちも東京のダート1600でしたからね。すんなり運べれば力は発揮できるはず。逃げでも好位でも立ち回れますが、ウィークポイントとして決め手勝負になった時ですかね。できれば時計・上がりがかかった方がいいでしょう。今回は主戦の大井・笹川翼がカタールに遠征するとのことで、西村淳がピンチヒッター。これも吉と出るか凶と出るかですね。
スピーディキック(浦和)
一昨年、圧倒的な決め手を武器に南関東牝馬クラシック2冠馬。その後は果敢にJRA勢への挑戦を続けていますが、まだダートグレード勝ちはなし。ただ昨年のフェブラリーSでも、直線相当行き場がない中で、脚を余して6着と見せ場を作りましたし、スパーキングレディーCでもアタマ差の2着。軽い走りをする馬で、どちらかというと砂の浅いダートの方が切れ味が生きる感じはしますね。そして昨年のフェブラリーSでは、芝スタートでなかなか良い反応を見せました。個人的にはヴィクトリアマイルに出てほしいと思う馬なんですけど、誰もそんなこと考えてないですかね。ひとまず最近の深い大井のダートよりは、東京ダート1600の方が化けるかもしれません。タイセイレジェンド×サイレントディールという血統から、こんな名馬が出てくるのが面白いところ。
ミックファイア(大井)
トーシンブリザード以来、22年ぶりの南関東3冠馬。休み明けで大幅馬体減だったにもかかわらず、ヒーローコールを問題にしなかった羽田盃や、去年が最後だったジャパンダートダービーでJRA勢を撃破したレースぶりは相当なインパクト。前走の東京大賞典は、JRA一線級相手にスタートで出遅れて苦しい競馬。道中も追走で精一杯という感じで完敗でしたが、チャンピオンズカップ回避など状態も微妙な感じでしたし、なかなかのスピードタイプ。今の深い大井の砂が向かなかったかもしれません。芝スタートの東京マイルでどんなレースをするか、注目の一戦。
勝算
最近のフェブラリーSは、サウジやドバイ開催の影響で、有力馬がパスしがち。ちょっと開催時期についても再考する時が来ているかもしれませんね。ということで、今年も上がり馬や、G1まであと一歩という馬中心のメンバー。おまけに根岸Sを勝ったエンペラーワケアまで回避となると、相当な大混戦が予想されます。乱戦なら地方競馬3頭の一発も十分あるかもしれません。
中でもイグナイターは一番勝負になりそう。自在に立ち回れますし、東京ダートでも新馬ではありますが勝ってますからね。あとはできるだけ時計がかかってほしいところ。良馬場で、35秒中盤くらいの決着になってくれればいいですね。
スピーディキックは昨年ほどの勢いはないかもしれませんが、正直昨年よりもメンバーはゆるい感じもしますからね。複穴としてはなかなか魅力的。問題はミックファイア。体型や気性的にはマイルでやれておかしくない雰囲気ですが、やっぱり芝スタート未経験なのが気になりますよね。スタートで後手に回るとその時点で終わりでしょう。逆にもしそこで勢いがつくようなら一気に夢が広がります。
これまでの地方競馬最強布陣、2002年フェブラリーS。
最後に特に参考にならないかもしれませんが、個人的に好きなフェブラリーSをご紹介。
アグネスデジタル・トゥザヴィクトリー・ノボトゥルーなどの大物たちを向こうに回して、南関東の4冠馬・トーシンブリザード、そして岩手の雄・トーホウエンペラーが地方から乗り込んで真っ向勝負。強いと思われた馬が強く走った素晴らしいレースで、当時現地で観戦してましたが大満足で帰宅した思い出があります。今回もこのくらい、地方3頭が頼もしいレースをしてくれると嬉しいですね。